【マンガシナリオ】かわいい心くんは時々オオカミ
颯「そ、それより心くん、お腹空かない?」
心「(話逸らした)」
颯「甘いものでも食べに行こうよ」
心「うん!甘いもの好き!」
颯「(かわいい…)」
前から走ってきた男性に思い切りぶつかった颯。
ぶつかった弾みで後ろによろける。
心「危ない!」
転ぶことなく、しっかりと心が受け止めてくれた。
颯の肩を押さえ、しっかりと抱きとめている。
颯の顔と心の顔が近い。心はニコッと優しく微笑む。
心「大丈夫?お姫様」
颯「!? だ、大丈夫…!ありがとうっ!」
驚いてすぐに離れる颯。
心臓はずっとドキドキしている。赤い顔を見られたくなくて、心に背を向けた。
お姫様って…どう考えてもお姫様は心くんなのに。
ずっと王子扱いしかされてこなかったから、調子が狂う。
心「やっぱり、かわいいよねはやては」
颯「か、からかうのはやめて!ほら、スイーツ探そう!」
心「本当のことなのに…」
勘違いしてはいけない。
心くんは優しいし、モデルとして私のモチベーションアップをさせようとしてくれているだけだ。
自分がかわいいわけがない。
颯は自分に言い聞かせつつ、心の言葉が残っていた。
心「やっぱり、かわいいよねはやては」
お願いだから、私の心をこれ以上搔き乱さないでーー。