【マンガシナリオ】かわいい心くんは時々オオカミ
〇体育館(放課後)
バスケ部の練習中、華麗なシュートを決める颯。
その鮮やかさに部員たちはみんな目をハートにさせ、黄色い声をあげている。
部員1「マジで颯先輩、サイコー!!」
部員2「カッコよすぎなんだけど~!!」
部員3「颯先輩っ!タオル使ってください!!」
部員4「ズルい!!私のタオルを使ってください!!」
颯「……。」
王子と騒がれるのは、別に嫌じゃない。
私のことを好意的に思ってくれていることは確かだから。
でも、時々思うのだ。
私も誰かの「お姫様」になりたかったと――。
颯「(なんて、こんな男みたいな女が、何言ってんだって感じだろうけど)」
〇帰り道(放課後・夜)
部活を終えた颯、帰り道を歩く。
バス停の近くで女の子をナンパしている男を見かける。
女の子は後ろ姿しか見えないが、ウェーブのかかったボブヘア。
ナンパ男「君、マジでかわいくない?君みたいなかわいい子、初めて見たわ」
???「離してください……」
ナンパ男「ねぇ、これから時間ある?カラオケでも行かない?」
???「困ります……」
ナンパ男「じゃあ連絡先交換しようよ」
???「だから…っ!」
颯、二人の間に颯爽と割り込む。
颯「この子、自分の彼女なんですけど」
ナンパ男「はあ!?
いやお前、スカート履いてんじゃねーか!!」
颯「…あ。
(騙せると思ったんだけどな)」
ナンパ男「そんなツラして女?マジで?
つーか何、女同士で付き合ってるってこと?」
???「ちげーーよ」