隠れお嬢様と敏腕上司の㊙恋愛事情
「スケジュールの件、申し訳ありませんでした」
午前中の会議が1つ終わり、社長室でデスクワークをするお兄ちゃんに私は頭を下げた。
謝って済む話でないのも簡単に許してもらえないのも分かっているけれど、せめて一言謝りたい思いだった。
「新人でもないのにこんな初歩的なミスをされたのでは仕事にならない」
「・・・すみません」
言い返したいことがない訳ではないが、今は低姿勢に頭を下げる。
「フラフラと遊び歩くことばかり考えているから、こんなミスをするんじゃないのか?」
「いえ、それは・・・」
さすがにそこまで言われる覚えはないぞと、私は顔を上げた。
「何か、ありましたか?」
いつも私には当たりの強いお兄ちゃんだが、今回は違う。
何か言いたいことがあるのだろうと、私は感じた。
「昨夜、高井夫人から『桃が帰ってこないがお邪魔していないか?』と連絡があった」
「ああ」
なるほど、だからお兄ちゃんは機嫌が悪かったのか。それで腑に落ちた。
いつも外泊するときには事前に電話連絡をするのだけれど、昨日はその余裕がなくて「友達の家に泊ります」のメールだけで終わらせてしまった。
それでも普段の母さんならお兄ちゃんに電話まではしなかったはずだが、昨日は一条の両親の命日だったから心配になったのだろう。
午前中の会議が1つ終わり、社長室でデスクワークをするお兄ちゃんに私は頭を下げた。
謝って済む話でないのも簡単に許してもらえないのも分かっているけれど、せめて一言謝りたい思いだった。
「新人でもないのにこんな初歩的なミスをされたのでは仕事にならない」
「・・・すみません」
言い返したいことがない訳ではないが、今は低姿勢に頭を下げる。
「フラフラと遊び歩くことばかり考えているから、こんなミスをするんじゃないのか?」
「いえ、それは・・・」
さすがにそこまで言われる覚えはないぞと、私は顔を上げた。
「何か、ありましたか?」
いつも私には当たりの強いお兄ちゃんだが、今回は違う。
何か言いたいことがあるのだろうと、私は感じた。
「昨夜、高井夫人から『桃が帰ってこないがお邪魔していないか?』と連絡があった」
「ああ」
なるほど、だからお兄ちゃんは機嫌が悪かったのか。それで腑に落ちた。
いつも外泊するときには事前に電話連絡をするのだけれど、昨日はその余裕がなくて「友達の家に泊ります」のメールだけで終わらせてしまった。
それでも普段の母さんならお兄ちゃんに電話まではしなかったはずだが、昨日は一条の両親の命日だったから心配になったのだろう。