隠れお嬢様と敏腕上司の㊙恋愛事情
騒動の当事者としては、まずは事実を確認すること。その上で、謝るべき点はトップであるお兄ちゃんが頭を下げるしかないだろう。
そして、同時進行で代替え商品の準備もしなくてはならない。

「代わりのメニューについては、調理部門とも連携して対応を考えます」
「ああ、そうしてくれ」

これはきっと秘書課の業務の範疇を超えていると思う。
それでも今は、隼人が中心となって対応していくしかない。
隼人に対するお兄ちゃんの信頼は絶大だし、一条コンツェルンにとってもなくてはならない人なのだ。

その日からお兄ちゃんも隼人も分刻みのスケジュールになったし、私と優也さんもメディア対応に追われることとなった
それでも加熱する一方の報道に、社内全体にもピリピリした空気が漂いだした。
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