隠れお嬢様と敏腕上司の㊙恋愛事情
私は社長室での勤務で、川村唯は秘書室で隼人の側にいる。
結局そんな勤務が続くことが決まった。
不満はあっても仕事だからと言われれば文句も言えず、私は割り切って仕事に集中することにした。

「なあ桃、この書類のデータをまとめて次の重役会議の資料にしたいんだが」
「わかりました」

当然のように、今まで二人体制だった社長秘書の仕事は私一人でこなすこととなり、仕事の量も増えた。
それでも、川村唯といがみ合って仕事をするよりも一人でやった方が気が楽だ。

「急がないからな。来週中にできていればいいんだから、無理するんじゃないぞ」
「わかっています」

抱えている仕事を順調にこなすためについつい仕事を前倒ししてやってしまう私に、最近はお兄ちゃんの方が気を使ってくれる。
自分でも残業が増えているなとか休憩が取れていないなとは感じながらも、できることは今やってしまいたい思いがあって勤務時間が増えていった。
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