隠れお嬢様と敏腕上司の㊙恋愛事情
10月とはいえ、外は晴天。
夏ほどではないが気温も上がっていて、往復30分の道のりは結構きつかった。
ホテルに戻った時には軽く息が上がって、少し眩暈を感じていた。
「どうした、顔色が悪いぞ」
お昼休み明けすぐにお兄ちゃんに突っ込まれた。
「昼休みに外を歩いたので、それでだと思います」
マズイなと自分でも思っているがどうすることもできず、大丈夫ですよとごまかすしかない。
「無理するんじゃないぞ。ただでさえ帰りが遅いだの、仕事を持ち帰っているだのと高井さんから愚痴られているんだからな」
「はいはい、すみません」
高井さんとは父さんのこと。
最近仕事が忙しい私のことが気に入らない父さんは、時々お兄ちゃんに文句を言っているらしい。
「では、そろそろお迎えに行ってまいります」
ちょうど到着予定15分前だったこともあり、私は立ち上がった。
このままロビーまで行って到着を待とうと思っていた。
しかし、
あっ。
目の前の景色が・・・揺れる。
どうしよう、体に力が入らない。
マズイ・・・倒れる。
「桃、しっかりしろ」
遠のいていく意識の中で、私は切羽詰まったお兄ちゃんの声を聞いた。
夏ほどではないが気温も上がっていて、往復30分の道のりは結構きつかった。
ホテルに戻った時には軽く息が上がって、少し眩暈を感じていた。
「どうした、顔色が悪いぞ」
お昼休み明けすぐにお兄ちゃんに突っ込まれた。
「昼休みに外を歩いたので、それでだと思います」
マズイなと自分でも思っているがどうすることもできず、大丈夫ですよとごまかすしかない。
「無理するんじゃないぞ。ただでさえ帰りが遅いだの、仕事を持ち帰っているだのと高井さんから愚痴られているんだからな」
「はいはい、すみません」
高井さんとは父さんのこと。
最近仕事が忙しい私のことが気に入らない父さんは、時々お兄ちゃんに文句を言っているらしい。
「では、そろそろお迎えに行ってまいります」
ちょうど到着予定15分前だったこともあり、私は立ち上がった。
このままロビーまで行って到着を待とうと思っていた。
しかし、
あっ。
目の前の景色が・・・揺れる。
どうしよう、体に力が入らない。
マズイ・・・倒れる。
「桃、しっかりしろ」
遠のいていく意識の中で、私は切羽詰まったお兄ちゃんの声を聞いた。