隠れお嬢様と敏腕上司の㊙恋愛事情
床の間の花と掛け軸がいかにも和を感じさせる畳の部屋に置かれた大きなテーブル。
普段なら豪華な懐石料理が並ぶのだろうその場所に、今日は肉じゃがと塩サバときんぴらと冷ややっこ、後は漬物、味噌汁、白いご飯が並んでいる。
「本当に、いいんだな」
「ええ」
食事の途中確認するように聞かれ、俺は迷うことなく答えた。
今俺の目の前に座る人物は近藤大造、年齢は79歳。
職業は国会議員で、長年数多くの大臣職を務めあげ今では党の要職に就いている。
年齢的にはかなり高齢だが、今でも総理大臣選挙の際には必ず名前が挙がる大物政治家だ。
そして、母の実父でもある。
「百合子にしても、隼人にしても、わしのことを恨んでいるのではないか?」
「そんなことはないですよ」
もちろん俺だって、これまで一度も会ったことのない祖父母がいるのは知っていた。
大金持ちなのだと聞いてはいたが、はっきりと名前を知ったのは大学生の時。
その後何度か秘書の風見さんを通じて接触はあったものの、会うどころか直接話をすることもなかった。
色々な偶然が重なり数か月前に初めて会うことになったが、複雑な思いはあっても恨む気持ちなどはない。
普段なら豪華な懐石料理が並ぶのだろうその場所に、今日は肉じゃがと塩サバときんぴらと冷ややっこ、後は漬物、味噌汁、白いご飯が並んでいる。
「本当に、いいんだな」
「ええ」
食事の途中確認するように聞かれ、俺は迷うことなく答えた。
今俺の目の前に座る人物は近藤大造、年齢は79歳。
職業は国会議員で、長年数多くの大臣職を務めあげ今では党の要職に就いている。
年齢的にはかなり高齢だが、今でも総理大臣選挙の際には必ず名前が挙がる大物政治家だ。
そして、母の実父でもある。
「百合子にしても、隼人にしても、わしのことを恨んでいるのではないか?」
「そんなことはないですよ」
もちろん俺だって、これまで一度も会ったことのない祖父母がいるのは知っていた。
大金持ちなのだと聞いてはいたが、はっきりと名前を知ったのは大学生の時。
その後何度か秘書の風見さんを通じて接触はあったものの、会うどころか直接話をすることもなかった。
色々な偶然が重なり数か月前に初めて会うことになったが、複雑な思いはあっても恨む気持ちなどはない。