隠れお嬢様と敏腕上司の㊙恋愛事情
翌日、木曜日の昼休み。
私は自分のデスクを整理していた。
まだ誰にも言っていないけれど、今日と明日の勤務を最後に私は一条プリンスホテルを去る。
その前にせめて身の回りの整理をしようと、お兄ちゃんのいない時間を見計らって私物の片付けを始めた。
あれだけ隼人にくっついていたはずの川村唯も、隼人が退職すると聞いて社長専属秘書に戻ると言い出した。おかげで私は秘書課での勤務に戻ることとなり、堂々と荷物の整理ができている。
トントン。
「はい」
社長室に隣接する秘書室の方のドアがノックされ、反射的に返事をした。
「お疲れさま」
「お疲れ様です」
現れたのは隼人だった。
そう言えば、隼人と2人で話したのはいつが最後だっただろうか。
随分と会話らしい会話をしていない気がする。
「話があるんだが、ちょっといいか?」
「はい」
川村唯のわがままで勤務体制が変更になったことかなと想像して、私は立ち上がった。
デスクを挟んで隼人との距離は数メートル、お互いに上司と部下の距離を保ったまま見つめあう。
私は自分のデスクを整理していた。
まだ誰にも言っていないけれど、今日と明日の勤務を最後に私は一条プリンスホテルを去る。
その前にせめて身の回りの整理をしようと、お兄ちゃんのいない時間を見計らって私物の片付けを始めた。
あれだけ隼人にくっついていたはずの川村唯も、隼人が退職すると聞いて社長専属秘書に戻ると言い出した。おかげで私は秘書課での勤務に戻ることとなり、堂々と荷物の整理ができている。
トントン。
「はい」
社長室に隣接する秘書室の方のドアがノックされ、反射的に返事をした。
「お疲れさま」
「お疲れ様です」
現れたのは隼人だった。
そう言えば、隼人と2人で話したのはいつが最後だっただろうか。
随分と会話らしい会話をしていない気がする。
「話があるんだが、ちょっといいか?」
「はい」
川村唯のわがままで勤務体制が変更になったことかなと想像して、私は立ち上がった。
デスクを挟んで隼人との距離は数メートル、お互いに上司と部下の距離を保ったまま見つめあう。