隠れお嬢様と敏腕上司の㊙恋愛事情
その後は、私を置いてきぼりで隼人と先生が話していた。
さすがに何度か、「私が患者ですよー」と突っ込もうかと思ったけれど、段々と話しの雲行きが悪くなっていって、私は口を閉ざした。

「では、できるだけ安静にして動かない方がいいんですね」
「ええ。高井さんは体重の増加も小さいし、無理して動くよりも安静にしてお腹の張りを避ける方がいいわ」
「そうですか、他に注意することはありますか?」
「食生活では無理のない程度にしっかり食べること。貧血も進んでいるから、嫌がらずに薬も飲むこと。そのくらいかしら」
「わかりました」

先生の助言を一つ一つメモする隼人に、私は凄く嫌な予感がしていた。
そして、その予感は的中した。
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