隠れお嬢様と敏腕上司の㊙恋愛事情
今まで会うこともなかった孫に何かしてやりたいと思うおじいさまの気持ちはよくわかるし、代議士の後継者として世間に出ることも多くなる隼人のことを思いできるだけセキュリティーのしっかりしたところをとここになったらしい。
私としても初めは広すぎる部屋に戸惑ったが、生活していくうちに慣れてきた。

「絶景が見渡せるタワマンのバルコニーに洗濯物が干してあるっていうのも、シュールね」
窓から外を眺めながら、望愛さんが笑っている。

「だって、ベビー用品は一度洗った方がいいって聞くから洗濯したところなんですよ。せっかくだからお日様に干したいと思ったんですけれど・・・」
やっぱり場違いだっただろうか。

「いえ、いいと思うわよ。どんなに素敵なお城みたいな家でも、ここが2人の我が家なんだもの。日常生活が一番大切よ」
「そうだな」
お兄ちゃんもウンウント頷いている。
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