隠れお嬢様と敏腕上司の㊙恋愛事情
妊娠8カ月を迎えた私はもうじき出産する。
おなかの赤ちゃんはすでに女の子とわかっていて、ベビー用品もピンク一色。
隼人や私が買うだけではなく、近藤のおじいさまや隼人のお母様、高井の両親からもたくさんの品が送られてきてすでに部屋を一つ埋め尽くしそうな勢いだ。
「桃、幸せになれよ」
「ええ」
お兄ちゃんの言葉に、「お兄ちゃんもね」と心の中でつぶやいた。
そう言えば昔、自分の出生を知ったばかりの頃おじいさまに言われた。
人は皆同じだけの幸せを持って生まれる。
それを最初から使い切って後半寂しく暮らす人もいれば、一発逆転で大器晩成に生きる人もいる。
素直になれないがためにせっかくの幸せを実感できない人もいれば、小さなことの一つ一つを幸せと感じて生きられる人もいる。それでも、一人一人が持つ幸せは皆同じなんだと。
当時思春期で屈折していた私にはピンとこなかったけれど、今は少しだけわかる気がした。
だからこそ、私もお兄ちゃんも幸せにならなくてはいけないんだ。
おなかの赤ちゃんはすでに女の子とわかっていて、ベビー用品もピンク一色。
隼人や私が買うだけではなく、近藤のおじいさまや隼人のお母様、高井の両親からもたくさんの品が送られてきてすでに部屋を一つ埋め尽くしそうな勢いだ。
「桃、幸せになれよ」
「ええ」
お兄ちゃんの言葉に、「お兄ちゃんもね」と心の中でつぶやいた。
そう言えば昔、自分の出生を知ったばかりの頃おじいさまに言われた。
人は皆同じだけの幸せを持って生まれる。
それを最初から使い切って後半寂しく暮らす人もいれば、一発逆転で大器晩成に生きる人もいる。
素直になれないがためにせっかくの幸せを実感できない人もいれば、小さなことの一つ一つを幸せと感じて生きられる人もいる。それでも、一人一人が持つ幸せは皆同じなんだと。
当時思春期で屈折していた私にはピンとこなかったけれど、今は少しだけわかる気がした。
だからこそ、私もお兄ちゃんも幸せにならなくてはいけないんだ。