隠れお嬢様と敏腕上司の㊙恋愛事情
「忙しいときは手伝うし、難しくて困れば手も貸すけれど、一度は自分でやってみなさいよ」

文句を言いたいわけではないけれど、彼女は人に仕事を押し付けて自分では何もしない傾向がある。
表面上は働き者の振りをするのに、上司たちのいないところで怠けているのを私も知っている。だから、彼女の仕事を手伝いたくはない。

「ヒドイ。先輩は私が嫌いだから意地悪するんですね」
「はあ?違うでしょ」
どちらかというと意地悪されているのは私の方なのに。

「もう、いいです」
「ちょっと、川村さん」

ガチャンッ。

あーあ、また怒らせちゃった。
最近の川村唯と私は完全に犬猿の仲で、こうやって喧嘩のようになるのも珍しくない。
そしてこの後のお約束は・・・
< 22 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop