隠れお嬢様と敏腕上司の㊙恋愛事情
「なんであんなにお見合いをさせたいのかしら」
二十歳を過ぎてから持ち込まれるようになった私のお見合い話。
大学を卒業するころには毎月のように話があった。
その度に「まだ結婚は考えられない」と断っていたけれど、もうそろそろ断るのも限界。
一度くらいお見合いをしないといけないのかもしれないな。
「お父さんはあなたをちゃんとした家に嫁がせたいのよ。それが自分の責任だと思っているんでしょうね」
「そんな・・・」
本心を言うなら、私の人生を勝手に決めないでほしい。私には私の思いがあるのだから。
もちろんいつか結婚はするだろうが、そのタイミングまで父に指図されたくない。
「ねえ桃、もしかしてあなた好きな人がいるの?」
「え?」
いきなり母に聞かれ、驚いた。
一人っ子の私と母は子供の頃からとても仲がいい。
学校で起きたことから友達の愚痴まで、何でも話せる友達のような親子だと思ってきた。
それでも、隼人のことだけは打ち明けることができないでいる。
「あなたがそんなにお見合いを嫌がるってことは、どなたか気になる方がいるのかなって思ったのだけれど」
「・・・」
私は答えることができず口を閉じた。
普段からあまり口やかましいことを言わない母。
父がうるさい分いつも私の味方になってくれる母から教えられたことは、絶対に嘘をつかないこと。そのことだけは肝に銘じ、守り続けてきた。
だからかな、都合が悪くなると私は黙ってしまう。
付き合いが長い相手になれば黙り込んだ時点で答えはイエスとわかってしまうのだが、それでも私は嘘をつかないことを信条にしている。
二十歳を過ぎてから持ち込まれるようになった私のお見合い話。
大学を卒業するころには毎月のように話があった。
その度に「まだ結婚は考えられない」と断っていたけれど、もうそろそろ断るのも限界。
一度くらいお見合いをしないといけないのかもしれないな。
「お父さんはあなたをちゃんとした家に嫁がせたいのよ。それが自分の責任だと思っているんでしょうね」
「そんな・・・」
本心を言うなら、私の人生を勝手に決めないでほしい。私には私の思いがあるのだから。
もちろんいつか結婚はするだろうが、そのタイミングまで父に指図されたくない。
「ねえ桃、もしかしてあなた好きな人がいるの?」
「え?」
いきなり母に聞かれ、驚いた。
一人っ子の私と母は子供の頃からとても仲がいい。
学校で起きたことから友達の愚痴まで、何でも話せる友達のような親子だと思ってきた。
それでも、隼人のことだけは打ち明けることができないでいる。
「あなたがそんなにお見合いを嫌がるってことは、どなたか気になる方がいるのかなって思ったのだけれど」
「・・・」
私は答えることができず口を閉じた。
普段からあまり口やかましいことを言わない母。
父がうるさい分いつも私の味方になってくれる母から教えられたことは、絶対に嘘をつかないこと。そのことだけは肝に銘じ、守り続けてきた。
だからかな、都合が悪くなると私は黙ってしまう。
付き合いが長い相手になれば黙り込んだ時点で答えはイエスとわかってしまうのだが、それでも私は嘘をつかないことを信条にしている。