隠れお嬢様と敏腕上司の㊙恋愛事情
私は秘書課に勤務するようになった当初から、隼人のことが気になっていた。
もちろんそれは上司に対する尊敬に近い感情だったと思う。
そんな関係が変わるきっかけは今から2年前だった。
入社からずっと私は秘書室に勤務しながら、お兄ちゃんのサポート業務についていた。
専属秘書は嫌だと言い続けたため、秘書室での勤務にはしてもらったものの実質はお兄ちゃん付の秘書だった。
当時のお兄ちゃんは今以上に俺様で、仕事には容赦なかったし、知らない人が見れば魔王にしか見えなかったと思う。そのせいか専属秘書として採用になった人はみな長続きせず、結局私が担当として業務をこなす日々。さすがにこのままではいけないと感じ始めた1年半前の春に採用されたのが望愛さんだった。
おじいさまの知り合いということでてっきりどこかのご令嬢かと思ったら、ごく普通の人でその上人柄も良くて、私はすぐに望愛さんと仲良くなった。
もちろん、望愛さんも初めからお兄ちゃんに好意的だったわけではない。
表面上の強さが目立ってしまうお兄ちゃんの本質をいきなり見抜けっていうのは無茶だけれど、望愛さんがお兄ちゃんを誤解しているのが我慢できなくて、当時の私は何度か忠告じみたこともした。
それが功を奏したのか、一緒にいる時間が距離を近づけたのか、望愛さんとお兄ちゃんは次第に打ち解けていった。
望愛さんはどんどん綺麗になっていったし、お兄ちゃんも毒気が抜けて少しだけ性格が丸くなった。
私も初めはそのことを喜んでいたのだが・・・
もちろんそれは上司に対する尊敬に近い感情だったと思う。
そんな関係が変わるきっかけは今から2年前だった。
入社からずっと私は秘書室に勤務しながら、お兄ちゃんのサポート業務についていた。
専属秘書は嫌だと言い続けたため、秘書室での勤務にはしてもらったものの実質はお兄ちゃん付の秘書だった。
当時のお兄ちゃんは今以上に俺様で、仕事には容赦なかったし、知らない人が見れば魔王にしか見えなかったと思う。そのせいか専属秘書として採用になった人はみな長続きせず、結局私が担当として業務をこなす日々。さすがにこのままではいけないと感じ始めた1年半前の春に採用されたのが望愛さんだった。
おじいさまの知り合いということでてっきりどこかのご令嬢かと思ったら、ごく普通の人でその上人柄も良くて、私はすぐに望愛さんと仲良くなった。
もちろん、望愛さんも初めからお兄ちゃんに好意的だったわけではない。
表面上の強さが目立ってしまうお兄ちゃんの本質をいきなり見抜けっていうのは無茶だけれど、望愛さんがお兄ちゃんを誤解しているのが我慢できなくて、当時の私は何度か忠告じみたこともした。
それが功を奏したのか、一緒にいる時間が距離を近づけたのか、望愛さんとお兄ちゃんは次第に打ち解けていった。
望愛さんはどんどん綺麗になっていったし、お兄ちゃんも毒気が抜けて少しだけ性格が丸くなった。
私も初めはそのことを喜んでいたのだが・・・