隠れお嬢様と敏腕上司の㊙恋愛事情

「ごめんなさい、私好きな人がいるの。付き合っているわけでもないから両親にも話せないんだけれど、お見合いをして別の人と付き合う気持ちにはなれないのよ」

これ以上話を拗らせたくなくて、私は優也さんに本心を伝えた。
さすがに隼人との関係を話すことはできないが、今はまだお見合いをするつもりも、結婚を考えるつもりも無いと言いたかった。
しかし、

「付き合っていないのなら、僕と会っていても問題ないはずだよね」
「でも・・・」

付き合う気もないのに男性と二人で食事に行くのはどうかと思う。
周りから見ればきっと親しげに見えるんだろうし、あらぬ誤解を生むかもしれない。
そうなれば優也さんにも迷惑がかかる。

「とりあえず男友達ってことで」
「そんな・・・」
「じゃあ、女友達にする？」
「もう、優也さんったら」

やっぱり御曹司は意地悪だ。