年下彼氏の恋愛事情。【LOVEドロップス参加作品】
でも……。
感動の対面まであと少しいうところで、あたしはハッと『ある事』に気付いた。
――足音が……
1つじゃない――……。
疾風がよく履いている革靴の他に、少なくとも3つ。
いや、もしかしたらもっとかも知れない。
そして、その中に微かに混じるカツカツという高い音。
胸騒ぎがした。
さっきまでのドキドキとは比べ物にならないほどの不安が、あたしを襲う。
まさか……
まさかだよね?
疾風の部屋はアパートの3階。
複数の足音はもうすぐそこまで来ている。
あたしは辺りをキョロキョロと見回し、身を隠す場所があるかどうか探した。
――その時だった。