琥珀色の砂時計
「乗って……いいの?」
立ち上がり恐る恐る問い掛ける。
「もちろんだよ。めのちゃんは十二年、ボクをたくさん可愛がってくれて、この一年もずっと忘れずにいてくれた。せめてこの『虹の橋』を渡る時くらい、一緒に『甲羅散歩』を楽しもう!」
「う、うん!」
こはくに集中させていた視界を広げてみれば、鮮やかに光る七色の道が見えた。きっとこの『虹の橋』が眩しかったんだね。わたしはそっとこはくの甲羅に跨る。わたしが小さい頃にはこはくもまだ小さかったから、わたしは公園の子供達のようにはこはくの上に乗れなかった。まさかそんな不可能なことが、こうして『あの世』で実現出来るだなんて!!
「行くよーめのちゃん! 良くつかまっていて!!」
「大丈夫だよ、こはく!」
──わたしはもう二度と、あなたを離したりなんてしないから。
こはくが『虹の橋』に一歩を踏み出した。弓なりにのぼっていく七色の道。のっしのっしと揺れる度、周りの青空が上下に振れる。
このままずっとこはくと旅をしたいくらいだ!
爽やかな風にまとわれて、こはくとわたしは虹を渡った──。
立ち上がり恐る恐る問い掛ける。
「もちろんだよ。めのちゃんは十二年、ボクをたくさん可愛がってくれて、この一年もずっと忘れずにいてくれた。せめてこの『虹の橋』を渡る時くらい、一緒に『甲羅散歩』を楽しもう!」
「う、うん!」
こはくに集中させていた視界を広げてみれば、鮮やかに光る七色の道が見えた。きっとこの『虹の橋』が眩しかったんだね。わたしはそっとこはくの甲羅に跨る。わたしが小さい頃にはこはくもまだ小さかったから、わたしは公園の子供達のようにはこはくの上に乗れなかった。まさかそんな不可能なことが、こうして『あの世』で実現出来るだなんて!!
「行くよーめのちゃん! 良くつかまっていて!!」
「大丈夫だよ、こはく!」
──わたしはもう二度と、あなたを離したりなんてしないから。
こはくが『虹の橋』に一歩を踏み出した。弓なりにのぼっていく七色の道。のっしのっしと揺れる度、周りの青空が上下に振れる。
このままずっとこはくと旅をしたいくらいだ!
爽やかな風にまとわれて、こはくとわたしは虹を渡った──。