愛を知らない公爵令嬢は、二人の王子に溺愛される
「言葉にしないと伝わらないんだろう?」

ロイ殿下が悪戯をする子供の様に笑った。

「私の何処が好きなのですか?」

私はついそう口走ってしまった。

だって、気になってしまったのだ。

私なんかにこんな真っ直ぐな愛を向けてくれる人がいるなんて思わなかったから。

その時、丁度馬車が植物園に着いた。

ロイ殿下が馬車を降り、私が馬車から降りやすい様に手を差し出して下さる。


「馬鹿だから」


「え?」


私がロイ殿下の手を取ると、ロイ殿下が私の手を掴み引っ張る。
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