愛を知らない公爵令嬢は、二人の王子に溺愛される
「フレア様、私、お父様に殿下と婚約を結んで来いと言われてますの」

ミア様が私に微笑みを向ける。

「どちらか譲ってくださらない?片っぽでいいんですの」

ミア様が私に一歩近づきながら、私を壁へ追い詰める。

私は深く息を吐いた。

「ミア様、それは出来ませんわ。いや、正しくはその考え方では譲れません。アルベルト様もロイ様もそれぞれ違う人間です。「どちらでもいい」という人に譲れません」

ミア様は鋭い目つきのままだった。

「フレア様だって、二人の王子に言い寄られて慢心しているだけではなくて?」
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