愛を知らない公爵令嬢は、二人の王子に溺愛される
「誰に愛を向けられようと私の価値は、私自身で決められるものです。周りに誰がいるかでは決められない」

私がそう言い放つとミア様はくるっと後ろを向いた。

「あーあ、フレア様がもっと嫌な人だったら良かったですわ」

そしてスカートを靡《なび》かせながら、もう一度こちらを向いた。

「私も知ってますわ。両殿下が違う人であることくらい。私も愛していますもの、・・・・殿下を」

ミア様が殿下の名前の部分だけ聞こえない程小さな声で仰った。

「ミア様、申し訳ありません。もう一度仰って頂けますか・・・?」

「嫌ですわ!」

ミア様がにっこりと笑った。
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