10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
ん?部屋に電話なんて珍しいな
「はい」
「敬大様、鈴村様とお約束はされてますか?女性の方ですが」
「いや、してない、どうした」
「8階にお見えになって敬大様のお名前をおっしゃるので」
「会ってないぞ、さっき着いたばかりなのに何で居ること知ってるんだ」
「お断りしても?」
「ああ、頼む」
何で今部屋に入ったところなのに?
つけられた?
「申し訳ごさいません。お約束はしていないとの事でお通しできません」
「婚約者でも?」
「はい……」
「わかったわ」
エレベーターに乗り戻って行った。
「どうしたの?」
手と顔を洗っていた敦美が立ち尽くしている土屋に声をかける。
「いや、何でもない、俺も顔洗ってくる」
敦美はバックの中から明日の着替えをだしておいた。
「敦美〜、少し呑みに行く?」
「いいよ」
夕食が早めだったからまだ寝る時間ではない
エレベーターの前に人がいた。
「何階でしょうか?」
「10階」
「かしこまりました」
敦美は土屋の服を軽く引っ張る。
「ん?」
「あの人がバトラー?」
小さな声で聞く。
「うん」
「来た時はいなかった」
「俺らが来たから座ってる(笑)」
「あー、なるほど」