10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
帰国
「こんばんは、あの……」
「1組だった鈴村だよ」
谷口くんが教えてくれた。
「鈴村朋絵ちゃん?」
「うん、そうだよ、久しぶりだね、下田さん」
「私の事覚えてるの?」
「もちろん、中学の子は覚えてるよ、変わってないね」
「よく言われるかな、朋絵ちゃんは変わったね、わからなかった、派手というか、大人っぽくなったね」
「うん」
きつい香水の匂いが土屋くんを挟んでも漂ってくる。
土屋くんは私の耳元に寄ってきた。
「トイレ行ってくるからその間に席変われよ、香水きつい……」
耳元で言われてビクッとなったが軽く頷いた。
土屋くんはトイレに行くと席を外す。
敦美は土屋が座っていた席にうつった。
「朋絵ちゃんは夏の同窓会は来たの?」
「ううん、私中学卒業からずっと海外にいてね、この前帰ってきたばかりなんだ〜、家が見つかるまでHOTEL暮らしって訳」
土屋くんはトイレから出ると喫煙所に行った。
「えーと、凄いねHOTEL暮らしなんて」
「楽よ〜掃除しなくていいしね」
「えっと……」
どうしよう、早く戻ってきて、土屋くん
「そういえば1組ってクラス会するんだって?」
谷口くんが助け舟を出してくれた。