10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
「あーあ、あの2人付き合ってんの?」
「さあ、どうかな……お客様の事はちょっと話せないかな」
「敬くんの親友だから知ってるくせに、でも婚約者は私なんだから」
「それいつの約束なのさ」
「幼稚園の時」
「時効じゃね?あいつ結構女と付き合ってるよ」
「そりゃ10年も経ってるんだから仕方ないわよ、でも再会できたのはやっぱり運命なのよ」
「違う人だと思うけどなぁ……」
「おかわり!」
「ハイハイ……」
谷口はため息をついた。
8階につくとおかえりなさいませと言われた。
「あっ、ただいまです」
「ぷっ、そんなに緊張しなくても、頭下げてりゃいいんだよ」
「そうなんだ」
「まあ、そんな礼儀正しい敦美も好きだけどさ(笑)」
「そこ笑うとこなの?もう〜」
鍵を開けて部屋に入る。
「もうちょっと清志と話す予定だったんだけどな」
「びっくりしたね〜」
「なんか飲む?食事も頼んでいいし」
「私、シャワーしていい?香水くさくて」
「俺も」
クンクンと服の匂いを嗅ぐ。
「風呂ためるか?」
「いいの?」
「もちろん、一緒に入る?」
「え?」
「今日は覚悟してきたんだよね?」
「そんな、覚悟って……着替え持ってきただけだよ(笑)」