10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです

うんうんと敦美は話を聞いた。

「話は当然将来の事、母親同士も仲が良くて小さい頃は2人が結婚すればいいのにねとか話してたらしい」

「まあ、ママ友ならそう思ってもあるあるだと思う」

「私はずっと婚約者だと思っていたってこの前鈴村が言い出したから親同士盛り上がって……」

「朋絵ちゃんはどうしてそう思ったの?」

「わからない、俺は記憶は全くなくて学校帰りも嫌々だったからさ、適当に相槌を打っていたのが返事したかもと……」

「それは……もっと確認をするべきよね、曖昧な返事って聞いてたらわかるし」

「卒業の時にはちゃんと別れるっていったし、それから何も連絡も取ってなかったのにいきなりそんな話が出て、何でだよって思ってて、だからちゃんと話をしなきゃいけないんだけど……」

「できてないんだね」

頷いた。

「その場では言えなかったの?」


「……酒が入ってて、言っても信じてもらえないと思ったし、俺も酔ってしまったから清志にタクシー呼んでもらって」

「そう、昨日そんなことになってたんだ、私は晃大くんと楽しく遊んでたのに(笑)」

「晃大は人見知りしないからな」

「そうだね」

「晃大の方が跡継ぎに向いているのかもって思ったことは何度もあった」
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