10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです

ん……眩しい


「あっ、起きた?」

目が覚めると毛布がかけられていた。

「運ぼうと思ったけどさすがに抱えれないから(笑)」

「(笑)無理だろ」

「目が覚めていないからびっくりしたよ」

「考え事してたら寝てたのか」

首をコキコキと鳴らす。

「今日は何時にこっちを出るの?」

「そうだなぁ……寝ながら考えて……」

「いや、寝てたら考えれないから(笑)」


土屋くんはタバコをトントントンとテーブルに軽く叩きつけている。

ふふっ、こういう所を見るのも新鮮だわ。

「ん?」

「ううん、なんでもない」


土屋くんは立ち上がって敦美にキスをくれた。

「よし、動こう」

携帯を出して電話を始めた。

聞くのも悪いので、荷物をまとめた。

HOTELを出て10分ほど走るとマンションの前に到着した。

コンシェルジュがいる高級マンション

土屋くんは頭を下げてエレベーターに入っていく。

「ここは?」

「姉貴んち」

「諒夏さん?」

「そう、ジムから近いだろ?」

「確かに……歩いてでも来れそうだけど」

「買い物すると荷物あるから車で行ってるらしいよ(笑)」


ピンポンと鳴らすと本当に諒夏さんが出てきた。

「いらっしゃい、敦美さん」

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