10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
「おはようございます」
上がってと言われて広いリビングに通された。
「コーヒーと紅茶どっちがいい?」
「俺はコーヒー、敦美は?」
「あっ、同じで……」
土屋くんがソファに座ったから隣にちょこんと座った。
「お待たせー」
「あ、ありがとうございます、私、洋風のお店が家かと思ってました」
「あー、一応部屋もあるのよ、主人は昼休憩に仮眠をとったりしてるの、でもあそこじゃ人が多いからうるさくて仕事にならないのよ」
あっ、そっか物書きの仕事って……
「まさか敦美さんが敬大と付き合うことになるとはねー」
「そうですね、私もびっくりしています」
「朝、実家に行ってからジムに行こうと思って寄ったら敬大がいるからじゃあ連れて行ってもらったの、私も凄い偶然と思ってたら、昼休み呼び出してっていうからさ」
「敦美は携帯を常に持ってる訳じゃないから呼び出してもらった(笑)」
「そうですね、確かにしょっちゅう見る方じゃないです」
「真面目よね」
「いえ、SNSに疎いだけなんです」
コーヒーを飲むと諒夏さんに部屋に呼ばれた。
クローゼットでパンツタイプのスーツとシャツとを合わせてくれる。
「あの……」
「食事に行きましょ、着替えて」