10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです

「こっちもだよ、あっちゃんが体育大学に行ったって情報がなかったらこうして一緒に仕事してないかもだね」

2人は懐かしい話をしながらランチを終えた。

敦美は1度家に帰り、夕方車で旅館に出勤した。

夏休みは宿泊客も多いし、最近はキャンプブームもあって下田旅館近くにもキャンパー達がたくさん訪れていた。

実は温泉入浴のみのサービスもしており、宿泊客以外のお客様も多いのだ。

みづほ姉ちゃんの部屋で着物に着替え、厨房に顔を出す。

「お疲れ様です」

厨房は一番忙しい時間だ。

その中で若い大和(やまと)くんという人がメニューの説明の紙を渡してくれる。

年は私より2つ下で専門学校を出てから下田旅館で働いてくれている。

歳が近い事もあり普通に仲は良い。

この毎日の食事の暗記が1番大変で、フロントに行くと美枝さんが座っていた。

「お疲れ様です」

「お疲れ様です」

フロントのお客様情報で夕食時間を確認する。

下田旅館は山にあり閑静な旅館でいわゆる子供が喜んで遊ぶ場所はないので、ゆっくりしたいカップルや、ご夫婦のお客様が多い。

キャンプに来ていてお風呂利用だけの中には家族連れもいるが、夜は静かでそれを売りにしている所もある。
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