10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
加奈ちゃんとBARへ
「私が言えないの昔から知ってるでしょ」
「土屋くんには言えるんでしょ?」
「一応……まあ慣れたから?」
「本人に言わなきゃわからないでしょ、いつまでも勝手に婚約者って言ってさ、婚約者は私って事をはっきり言うべきよ」
エレベーターが降りてきて10階のBARへ行った。
「いらっしゃいませ」
「あれ、谷口くんは?」
「遅番なのでもう少ししたら来ます」
「じゃあ待つ?」
2人はカウンターに座った。
「加奈ちゃんはよく来るの?」
「ここ?」
「うん」
「こっちで仕事の打ち合わせがあればね、でも谷口くんがここに居るって知ってからよ」
少し経つと奥から谷口くんがやってきた。
「お揃いで(笑)」
交代すると言って谷口くんがカウンターに立った。
「女子会?」
「敦美の怒涛の1日を聞いてたの」
「へぇ、面白そう」
「谷口くんはどのくらい土屋くんの女関係を知ってるの?」
加奈ちゃんがハッキリと尋ねる。
「高校の3人かな」
「やっぱり1年ずつなのよね?」
敦美が聞く。
「敬大から聞いたのか?」
「うん」
「部活もやってたし、彼女と一緒に帰るのはテスト期間だけ、友達に彼女のことを聞かれても話すとかもしなくてあんまり興味がないような感じだった」