10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
「うちのパパもおじ様とよく行ってるわよ、いつ知り会ったのよ」
「昨日……ランチを……」
「そのさぁ、朋絵ちゃんの土屋くんが婚約者って自分で言ってるのって10年会ってないのによく言えるよね」
「か、加奈ちゃん」
「ダメよあっちゃん、はっきり言わないと!土屋くんはあっちゃんと結婚するの!いつまでも夢の中にいちゃいけないのよ!わかった?」
「結婚?何で?」
「何でってこっちが何で婚約者なんて言ってるのか聞きたいくらいだわ」
「まあ、10年会ってないしな、時効だな」
「中学の時も付き合ってくれたもん」
「転校するから仕方なしな」
「つ、土屋くんは別れたって言ったらしいよ」
敦美も少し言ってみる。
「それは遠くに行くから別れるって事でしょ」
「すごい自分の思い込みだな(笑)男が別れるって言うのは付き合うのをやめるって事だよ、分かれよな」
谷口くんがお客様に対する口調じゃなくなってるし
「2人とも急すぎるよ、朋絵ちゃんはピュア過ぎるんだよ」
「じゃあ、あっちゃんが自分でいいな」
「あっ、そうだね……」
敦美は姿勢を正した。
「今、私は土屋くんとお付き合いしてます」
「いつから?」
「えっと、9月からかな」
「私が帰るのが遅かったのかな……」