10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです

「土屋くん!」

「試合見たくて、間に合ったかな?」

「今、晃大くんが準決勝やってるよ」

「敦美は?」

「優勝、イェイ!」

ピースサインをした。

「あー、敦美の試合は間に合わなかったかー」

「さっき終わったところよ」


隣にいた理子に気づき頭を下げる。

「お久しぶりです、また火曜日来てくださいね」

「休みがとれたら行きます(笑)優勝おめでとうございます」


晃大くんは勝ち決勝に進むことに……

敦美の方を見ると手を振った。

「ほら、お兄ちゃんも手を振って(笑)」

「恥ずい……」

「手を振るくらいできるでしょ」

土屋くんの手を持って一緒に振った。


「テニスで慣れてるでしょうに」

「身内は恥ずいよ」


恥ずかしくて下を向いていた。

あんな事言ってたのに、決勝が始まると晃大くんが決める度に拍手するわするわで終わる頃には掌が真っ赤だった。

「晃大すげぇな」

「晃大くんは次から上の部で出るのよ」

晃大くんは応援席に上がってきて土屋くんに抱きついた。

「やったー、初優勝〜」

「よくやったな、晃大、兄ちゃんハラハラしたぞ(笑)」

「うん、キツかったー」

「おめでとう、晃大くん」

敦美は手を立てて出し、パチンと合わせた。

< 146 / 194 >

この作品をシェア

pagetop