10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
グラタンにつられる
その間に土屋くんが回ってきて助手席のドアを開けてくれた。
「ねぇ、私、ここじゃないでしょ、後ろでいいのよ」
「気にしないで敦美さん!」
晃大くんが声をかけてくれてご両親も頷いている。
とりあえず、ここで乗り換えるのも申し訳ないから敦美は助手席に乗った。
「すみません」
「気にしないで、両親は後ろに乗り慣れてるから後ろのほうがいいんだよ」
「ん?あっ……」
要するに運転手がいるという事なんだ。
「あの、グラタンにつられて来ちゃったんですけど晃大くんのお祝い、ご家族だけの方がよかったのでは……」
「わざとグラタンでつったんだよ(笑)」
車の中は笑いがおきる。
「もう〜恥ずかしいから」
「俺が優勝してなければ、兄貴と2人だったね、敦美さんごめん、ごめん(笑)」
「ううん、優勝はやっぱり凄い事だから、晃大くんのランクは人数も多くて試合数も多かったしね」
「だから最後だったんだな」
「そうなの、参加人数の多いランクから始めるのが基本なのよ」
「敦美さんのゴルフ話をお聞きしたいわ」
後ろからお母さんの声がした。
「えっと……始めたのは小学生で父がよく利用している打ちっぱなしの場所でキッズレッスンがあってそこに入れられました」