10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
「いつでも帰ってきていいからね」
「ありがとう、あと少しだけどお願いします」
旅館の仕事が終わると駐車場に大和くんがいた。
「あっちゃん、辞めるって本当?」
「もう聞いたの?」
「本当なんだ……」
「うん……ジムの仕事1本にするの」
「残念……」
「大和くんはこれから頑張らないとね、期待してる」
「うん、頑張るけど、あっちゃんがいないとやる気も違うし……」
「ごめんね、また大和くんの料理食べに来るね」
「わかった、絶対に来てね」
「うん」
「あっちゃん……好きだったよ」
「ありがとう、楽しかったよ……でもごめんなさい」
敦美は頭を下げた。
「なんとなくわかってた、じゃあ仕事あるから」
大和くんは走って調理場に戻っていった。
ありがとう、何となく気づいていたけど土屋くんに再会してしまったから……
車に乗ると家に帰った。
月曜日の仕事終わり、敦美は東京に向かっていた。
前に貰っていた名刺を見ていた。
就職試験は人数が多くHOTELで行われたので今日は仕事場をしっかり下調べをしてきたのだが……
人の多さには毎回びっくりする。
〝着いた?〟
土屋くんからLINEが入る
〝あと少しで会社の方に着くと思う〟
〝了解〟