10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
敦美は少しだけ加奈ちゃんに昼の事を話してみた。
「うーん、私の考えだから気にしないでね」
「うん」
「元々は朋絵ちゃんが土屋くんの婚約者なんて言わなければ何の問題もなかった訳でー」
「あー」
「そうでしょ?そんなすぐ父親に会わせなかったと思うし」
「そうだ」
「でも土屋家にとってはお母さんが元気になってめちゃくちゃみんなあっちゃんに感謝してると思うよ」
「それは素直に嬉しい……うん……」
「じゃあ、何を悩むのさ」
「……えーっと」
「言ってみ?」
「土屋くんは、お母さんの為に私と付き合ったのかなって」
「はぁ!?何でそうなるの」
「だ、だって同窓会から何もかもが早すぎて幸せなんだけど怖いんだもん」
「真面目なあっちゃんらしいなぁ、信じてあげなよ」
「逆にお父さんの話を聞いたら土屋くんと無理に付き合わなくていいとも取れない?私だけかなぁ」
考えすぎだってと加奈ちゃんは言って仕事に戻った。
夕方ゴルフの打ちっぱなしに行って帰りに寄ったのはSoil HOTELのBARだった。
「いらっしゃいませ、おっ珍しい、1人?」
「うん」
谷口くんの前に座る。
「ノンアルで何かお願いします」
「かしこまりました(笑)」