10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
「どした?敬大と喧嘩でもした?」
「ううん、優しい」
「まあ敬大は優しいな(笑)じゃあどうした?普通なら本村とくるだろ」
カクテルを置かれてひと口呑む。
「もしさ、私が同窓会に参加してなかったらどうだったのかなー」
「それはわかんないな、そういうのも運命だし」
「土屋くんがその時に誰かに告白されてたらその子とつきあって、1年後、結婚を考えたのかなってちょっと思っただけ……」
落ち着きたいって言ってたからと付け加えた。
「敬大が……今回幹事を引き受けたのは下田に会いたいからだよ」
「うん、住所と誕生日も教えたんでしょ(笑)」
「わかってるじゃん……」
それは嬉しいのとは谷口くんに言った。
「土屋くんのご家族とも仲良くさせてもらってるんだけどね」
「いいことだと思うけど?」
「私達が上手くいかなかったら……」
「やっぱり喧嘩したんだろ」
「違うの……」
敦美は谷口にお母さんの事を話した。
もし私と付き合ってるのがお母さんを喜ばせるためだったとしたらと不安な事を話した。
「俺はさ、敬大とお父さんしか会った事がないけどさ、そういうのは俺じゃなくて敬大と話すのがいいんじゃないかな?」
はいと携帯を渡してくれた。
「えっ?」
画面には土屋敬大と書いてあった。