10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
不安と喜び
土曜日のジムの仕事を終えると土屋くんが迎えに来てくれていた。
そのままSoil HOTELのいつもの8階へ行くまで手を繋いでくれていた。
コートを脱ぎソファにかける土屋くん……
「何か飲む?」
優しく声をかけてくれる。
「ううん、今は大丈夫、ありがとう」
座ろうとお互いソファに座った。
「ゴルフで何かあった?」
お父さんが頭を下げに来てくれた事を話した。
土屋くんはしばらく黙ったままだった……
その場に居たかったと下を向いて答えた。
泣いてる?
土屋くんの人差し指は目尻をおさえていた。
「俺からも礼を言うよ、ありがとう……敦美、そして愛してる……」
隣に座っていた敦美を抱きしめた。
「ごめ……ごめんなさい」
敦美も涙が出てきた。
「何で敦美が謝る?」
「グスッ……ちょっとでも土屋くんを疑ったのを許して……グスッ、グスッ」
「疑った?俺、何かした?」
敦美は首を横に振った。
「私が勝手に思い込んじゃって……私と付き合ったり、家族に会わせるのはお母さんの為なんじゃないかと思って……1人で不安に……グスッ」
「何でだよ、ちゃんと敦美の事好きだよ、言ったじゃんか、告白だって初めてだったんだって」
「ごめんなさい」