10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです

「やっぱり、そうじゃないかと思って……」

「あまり変わってないでしょ(笑)」

「うーん……腕を見て見ないと筋肉マンかどうかわからないな(笑)」

「もう〜やめてよー、筋肉マンなんて土屋くんくらいしか言われなかったし(笑)」

二の腕がコンプレックスだった私は土屋くんに時々筋肉マンとからかわれていたのだ。

「実はますます筋肉はついちゃって(笑)」

「触りてぇ(笑)」

「ダメだよ隠してるのに」

私……普通に話せてる……

「あっ、そうだ加奈ちゃん……本村加奈ちゃんが少し遅れるって」

「本村ね、了解」

「下田、ちょっと後ろ向いて?」

「え?」

言われるままに後ろを向く。

「やっぱり……ちょっとついて来て」

敦美は土屋くんについていくと、HOTELの正面じゃなく、裏側の入口に連れていかれた。

従業員用のエレベーターに乗り、8階のボタンを押す。

「ねえ、これに乗っちゃだめなんじゃないの?」

「しー、大丈夫」

8階で降りると部屋のドアを開けてくれた。

「どうぞ」

「でも……」

いきなり部屋なんて怖い……

「お尻が汚れたまま同窓会に出る?(笑)」

「へっ!?」

土屋くんは手を握って部屋の鏡の前に連れてきてくるっと後ろを向かされた。
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