10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
ハプニング
「ゆっくり首を回して見て」
鏡を見ると薄いグリーンのスカートが汚れていた。
「外のベンチにはこんな可愛い服で座らないようにな(笑)」
あぁ、このクシャっとした笑顔……変わってない。
「濡らしてみるね」
「ちょっと待って」
バスルームからバスローブを出してきた。
「これに着替えて」
「あっ、そうだね、ありがとう」
バックを置きバスローブを受け取ろうと手を出した。
「俺にまかせて」
「え?」
バスローブを広げたかと思うと後ろから肩に掛けてくれて背中のファスナーをあっという間に下げられた。
「袖も脱いでバスローブに手を突っ込んで」
「う、うん」
言われたままにするとうしろからバスローブの前をとめてくれて、足元にグリーンのワンピースがストンと落ちた。
いや、慣れすぎじゃない?
「あ、ありがとう、私……ハンカチを濡らしてくる」
「待って……」
部屋から電話するとすぐノックがあり土屋くんは服を渡してしまった。
「えっと……」
「シルクの服だったから頼んだ」
「シルク?えっ、あの肌ざわりの良さはシルクだったの?」
「知ってて買ったんじゃないのか?」
「加奈ちゃんが選んでくれて……」
無知なのが恥ずかしくて下を向いた。