10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです

思い切って参加して良かった。

土屋くんとも会えたし……



道路はやっぱり混んでいて家に寄らずに直接行くことにした。

今日はお父さんが手伝いに行ってるから電話をして駅まで迎えにきてもらうことに……

駅で待っていると下田旅館と書いた車が止まった。

運転席には大和くんが座っている。

「あっちゃん、お帰り」

「どうしたの?この車送迎用じゃない」

駅から旅館までは行く手段がない為、お客様が必要なら送迎をする事もあるのだ。

「今日、実は朝キャンセルがあって部屋が空いたんだけど午後になって予約がネットで入ったんだよ、その方が送迎を希望で6時に駅だからあっちゃんも乗せて帰れってさ」

あと20分か……確かに時間はいいけど私が素でお客様に会うのも違うよね。

「私、タクシーで先に帰るよ、大和くんはお客様をお連れして」

「え?あっちゃん」

敦美は駅で待機してるタクシーに乗った。

早く帰ってメニューも覚えなきゃだし、ちゃんとした姿でお客様にはお会いしたい。



急いで着物に着替えた。

三つ編みもはずして下ろしていた髪もまとめた。

かんざし……可愛いって言ってくれたな、嬉しかった。

ふぅ……よし今日も朝まで頑張るぞ
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