10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
フロントにいると大和くんが乗せてきたお客様がお見えになった。
「いらっしゃいませ」
「こんばんは、よろしくお願いします」
「若女将の下田です」
「えっと、泊まりは1人なんですけど、夕食は2人分お願いできますか?」
「はい、ご用意できます、お連れ様をお待ちになってからのお食事でよろしいですか?」
「そうね、お願いします」
「かしこまりました、ではお部屋へご案内いたします」
大和くんに目で合図をして指を2本出した。
会話が聞こえてたようですぐに厨房に向かった。
お部屋に案内すると他のお部屋へ挨拶に向かう。
今日は元々夕食の時間が早いお客様がいたので美枝さんに料理の説明は頼んでおいた。
先程のお客様の夕食時には美枝さんはいないのでこれからおぼえなきゃ……
フロントはしばらくお父さんに立っててもらい1人来ることを告げておいた。
厨房で軽くまかないを食べながらメニューを覚える。
お父さんが厨房に顔を出した。
「最後のお客様がお見えになったよ、お風呂を先に入りたいから夕食は21時がいいそうだ」
「遅めだけど仕方ないわね、私が料理運ばないと人がいないよね」
「そうですね」