10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
大事なお客様
敦美は土日祝の仕事時間を送った。
〝ジム?何それ、ちゃんと会って話したい、金曜日の夜とかは?〟
〝金曜日は16時終わり〟
〝じゃあ金曜日に速攻仕事終わらす!〟
〝疲れてない?〟
〝大丈夫、仕事終わったらまた連絡するからメシ食おう〟
〝わかった〟
約束しちゃった……
本当に私でいいのかな
あっ、自信を持たなきゃ!
前向き、前向き!
敦美は携帯のスケジュールに打ち込んだ。
土屋くんとの約束の日、敦美は朝から予約のお客様にトレーニングをしていた。
4月の開店時からの方でいつも午前中がいいということで敦美の担当になっていた。
諒夏(りょうか)さんという27歳の女性で在宅で執筆のお仕事をされているらしい。
「敦美さん、今日何かいい事あるの?いや昨日あったとか?」
「え?どうしてですか?」
「嬉しそうだもの(笑)」
私……顔に出てる?
「えーと、今日友達と久しぶりに会うのでですかね(笑)」
「そう、いいわね、私もこの連休に弟が帰省するから会うのが楽しみなのよ」
「じゃあ、次の予定は少し空きますかね?」
「そうね、水曜日のいつもの時間にお願いするわ」
「はい、ストレッチだけはお家でお願いしますね」
「了解です」