10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
店を出て携帯を見ると土屋くんから返信が来ていた。
あっ、もう着いてるんだ。
敦美はすぐにLINEをした。
〝終わったよ、どこに行けばいい?〟
〝今どこ?〟
即返事が返ってきた。
〝駅だけど、車で来てるからどこでもいけるよ〟
〝ん〜、じゃあ家に迎えに来て、住所送る〟
〝わかった〟
助かる、シャワーしたかったし、着替えもできる。
元々家に帰ってから出る予定だったから服も持ってなかったし、敦美は急いで車で家に帰った。
中学の時に同じ方向に帰ってたから大体の地域はわかってたけど、小学校は違う区域だったから多分あの辺……と、支度をして車のナビに住所を入れる。
家を出る前にもう一度連絡を入れると近くに公園があるからそこにいると連絡が来た。
駐車場に入ると人影が見えた。
土屋くんだ。
車を停めると助手席のドアが開く。
敦美は助手席に置いてあったバックを後部座席に置いた。
「狭いけど……」
「大丈夫」
「ごめんね、急に仕事入っちゃって」
「いや、俺もよくあるからわかる」
時刻は21時がこようとしていた。
ぐぅって敦美のお腹が静かな車内に響いた。
「ご、ごめんなさい……恥ずかし」
「いや、仕事しててメシまだだろ、何か食いに行こ」