10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです

「自信なんてないよ、下田に関しては……今まで付き合ってきたのだって全部向こうからだし別れを決めたのは俺から、告白なんてしたことねぇからめっちゃ緊張してる」

「まあ、また連れてこいよ」

「あぁ、また来る」

敬大は1万円札を置いてBARから出ていった。

どうやら本気のようだな(笑)





8階の部屋に戻ってベッドを覗くとまだ横になっているようで、ジャケットを脱いだ。

「ふぅ……」

カチカチとライターを鳴らして煙草を吸う。

冷蔵庫から水を出して飲んでいた。

「ごめんなさい」

土屋が後ろを向くと敦美が立っていた。

「びっくりしたー、寝てるかと思ってたからさ、気分は悪くない?」


敦美はコクンと頷いた。

「私……わがまま言ったよね、多分」

「いや、わがままは言ってないよ、俺こそごめん、ワインの量を気をつけておけば良かった、初めて呑むのに」


「母親にLINE送ってるの見ると私が泊まりたいって言ったのかなって」

「眠いって言ったから泊まる?って誘ったのは俺だ、下田は悪くない」

「でも……食事のお金もまだ払ってなくて、宿泊費も……ちゃんと払うから土屋くんは家に帰っていいよ」

「は?」

土屋くんは煙草を消した。
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