10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
21時になり着替えて車で待つことに……
でも土屋くんは30分待っても来ない。
1度車から出てフロントに行った。
「あっちゃん、まだ帰ってなかったの?」
「うん…」
「どうしたの?」
「藤の間のお客様ね、同級生なの、帰り送ることになってて……まだ来ないよね」
「そうね……まあ宿泊は1名だから」
「前もそうだったの」
「そうね、夏に来てたわね」
「うん……」
「まあ、呑みだしたら時間なんてあまり見ないしね」
「それなら連絡をくれても……」
珍しくあっちゃんが拗ねてる……
もう少し待ってみると言ってみづほ姉ちゃんと話す。
「あーあ、帰ろうかな、来たらタクシー呼んであげてよ、既読もつかないし」
「まあ、0時前までは私も聞けないしね」
「そこまでは待てないよ、帰るってLINEしておく、じゃあね」
仕方ない、仕方ない……
自分が言ったんだものね、先輩には逆らえないよ。
敦美は車で帰っていった。
「失礼いたします、あの、宿泊になさいますか?」
若女将が日付が変わる少し前に声をかけた。
「あの……ちょっと手を貸してください」
中から声がして、若女将は入って行った。
部屋に入ると女性が男性に抱きついていた。