10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
「そ、そうなんだ……優しいね」
実は親友の加奈ちゃんにも私が土屋くんが好きということは話してなかった。
加奈ちゃんは谷口くんの事が好きで私に話してくれていたのに、私はどうしても言えなかった。
恋愛に対しては臆病で、恥ずかしさが勝ってしまう。
帰り道の貴重な話す時間が無くなってしまった。
自分の気持ちは封印して中学校を卒業したのだ。
高校も別だったから中学校からずっと会ってないことになる。
10年か……
次の日、ジムで加奈ちゃんから同窓会の事を聞かれた。
「行くよね?」
「うーん……」
「悩んでるの?ちなみにお盆はジムは休みにする予定よ」
社長の加奈ちゃんはパソコンの予約表をみながらお盆休みの予定を教えてくれた。
お盆の週の1週間は店自体をお休みするらしい。
「あのね、旅館の方が忙しくてね……」
加奈ちゃんに夏休み中の若女将代理の事を話した。
「まだ昨日聞いたからもう少しちゃんとした日程は分かり次第言うね」
「そうか、大変だね」
まあ、うちは予約も多いし他の日も早めにわかれば他のスタッフを入れるし、お客様があっちゃんをご指名ならなるべく午前中にするとか変更はきくから心配しないでと快く承諾してくれた。