10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです

駐車場を出ると話し始めた。

「今日さ、姉貴が来てジム行くから乗せていってって連れてきたらまさかの敦美の仕事場でびっくりした」

「諒夏さんがお姉さんなの!?」

「うん、来る途中に色々聞いたら敦美がトレーナーって言うし、じゃあ昨日のお詫びに飯連れていくから誘ってって言った」

「凄〜、偶然で本当にびっくりだわ」


確かに弟が帰省の日とかテニスやってるとか当てはまるな


「ねぇ、1時間で帰れる?」

「予約してあるからすぐ食べれる」

「私が出れなかったらどうしてたのよ」

「大丈夫」

「大丈夫って……」

「あと5分で着く」

普段はあまり通らない道を通ってきた。




小さな洋風の一軒家

ドアを開けると

「いらっしゃいませ」

案内され、席に座るとエビグラタンでいい?と聞かれた。

「うん!」

店の人に言うとすぐに持ってきてくれた。

「早い」

「ここのグラタン超うまいんだぜ」


そういえば前に諒夏さんと好きな食べ物の話をした事があった。

よく2人は食べ物の話をするのだ。

「私が今日グラタンの気分じゃなかったらどうしてたの?」

「さあ、その時に考える、シェフは何でも作ってくれるから」

「グラタンて決めてたじゃない!」

敦美はぷくっと頬をふくらます。

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