10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
ハァハァ…ハァハァ……
「きっつ!敦美ー、手加減て言葉知ってるよな」
土屋くんは肩で息をしていた。
「もちろん知ってるよ〜(笑)」
足がプルプルして立てないようだ。
「座って暫く見てて」
敦美は別の子と打ち始めた。
「大丈夫ですかー」
同じくらいの歳の女の子が話しかけてきた。
「大丈夫じゃないです」
その子は垣添理子(かきぞえりこ)と名乗った。
敦美とは高校が同じでバドミントン部だったらしくて現在のペアらしい。
「理子、入るよ」
敦美が呼んで試合をするみたいだ。
「はーい、じゃあね」
敦美がかっこよかった、凄く堂々としていて、普段の大人しい敦美とは違った。
「おーい、君こっちおいで」
俺のことかな?
「あっ、はい」
オジサンに呼ばれて行くと、ラケットラケットと言われた。
「僕、ルールもわからなくて……」
「大丈夫、大丈夫」
一緒に打ちながらルールを教えてくれた。
「若いからすぐ上手くなるよ、テニスとかやってた?」
「はい、ずっとテニスです、わかるんですか?」
「わかる、わかる、振りが大きいからね、まあここら辺のみんなは退職組だから年寄りばっかりだけど、またおいで」
「はい、ありがとうございます」