10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
誰?
しばらくすると母親も父親も帰ってきて7時には夕食を済ませた。
結局、日曜日までは土屋くんとは会えず、LINEだけで時間の約束をした。
日曜日、約束の時間にいつもの待ち合わせの駐車場に立っているとポルシェが停まった。
降りてきたのは茶髪のサラサラヘアーの男の子だった。
「敦美さんですか?」
笑顔の彼はひと目で土屋くんの弟さんだとわかった。
笑った顔が似てる。
「あの……下田敦美です」
「土屋晃大(つちやこうだい)です!どうぞ」
助手席を開けてくれたけど乗ってもいいのかな……
「兄貴は今朝、親父に急に連れていかれてこれを渡されました」
「あっ、チケット」
今日行く予定のアクティビティのチケットだった。
「無駄にしたくないよね、一緒に楽しも!あと、朝から連絡が取れないって兄貴が焦ってたよ?」
「え?」
携帯をバックから出した。
「あれ?電源が落ちてる、何で!?」
「乗って、まず携帯ショップに行こうか
(笑)俺が兄貴に送っておくね」
「ありがとう、お願いします」
「あっ、俺が敬語使わなきゃいけないのに敦美さんに使わせちゃってる、ごめんなさい」
「大丈夫よ、普通に話して(笑)」
「ありがとう」