10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです

「姉貴に聞いてびっくりしたもん、俺」

「私が不釣り合いだから?」

「敦美さんは綺麗だよ、さすが兄貴ってさっき見た時に思ったもん」

「恥ずかしいよ」

真っ赤になる敦美

「びっくりしたのは兄貴は彼女の存在を今まで1度も話さなかったのにって事」

「東京にいたからでしょ」

「高校はこっちだったけど聞いても話してくれなかったもん」

「それは晃大くんが子供だったからよ」

「……それもあるかもだけど、姉貴にも言ってなかったみたいだよ」

「家族には言いにくいよ、私だって話してないし、元カレの時も言ってないもん」

「そうなの?俺は嬉しくて言っちゃう」

楽しそうに笑う。

「そんな感じはするかな(笑)」

「そう?」

「うん、土屋くんと性格違うね(笑)」

「よく言われる、比べられるけど年が近かったらちょっとつらかったかも、長男は背負うものが違うよね」

「背負う?」

「だって跡継ぎって決まってるしさ」

「そうなんだ」

「何も聞いてないの?」

「そうね、遠距離だから会えなくて…」

「ふーん、敦美さんの仕事も大変なんだね、俺は学生だから東京に遊びに行っちゃう、敦美さんから兄貴のとこには行ったことないんだ」

「……そうね、ないわ」
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