世界くんのタカラモノ
この間の日曜日にNHNでやっていた子ども向け番組だ。バッタの着ぐるみをきた歌舞伎俳優がバッタうんちくを披露しながら、森の中でたくさんバッタを捕獲するのを虫好きの宇宙と梅子が釘付けになって見ていたのを思い出す。
「あの黄緑色のヤツなんて捕まえてどうすんだよっ」
「ママもバッタ好きだから捕まえて見せてあげたいよ」
「は?ママがバッタ好き?」
俺は記憶を辿る。たしかに梅子は宇宙と一緒にバッタ先生の番組を終始ニコニコしながら見ていたことを思い出す。
「ママ、虫好きって言ってたよ。カブトムシとかもカッコいいって」
「マジで?パパ初めて聞いたんだけど」
「うん、黒くてツノがあって男らしいって」
(おいマジかよ。梅子さんのタイプってカブトムシみたいな屈強な男ってことか?……嘘だろ?)
「ねぇ、パパー」
(マジで困ったことになったな)
俺は梅子と付き合う前からひとつだけ隠していることがある。
それは俺が大の虫嫌いだということだ。
はっきり言って虫嫌いのレベルじゃない。虫を見るたび背筋がゾッとして一目散にその場から逃げ出したくなるほどに俺は虫全般が心底苦手だ。この世から虫と呼ばれるすべての生き物が絶滅してほしいと最近真剣に思っている。
「あ、でもこの間台所に出たゴキブリは嫌いって言って、パパが帰ってくる前に新聞丸めてやっつけてたよ!すごかったな、ママまるでヒーローみたいだった!」
目をキラキラさせて梅子vsゴキブリのエピソードを話す宇宙を見ながら俺は額の汗を拭った。
(嘘だろ……直でとか……梅子さんすげぇ)
「あの黄緑色のヤツなんて捕まえてどうすんだよっ」
「ママもバッタ好きだから捕まえて見せてあげたいよ」
「は?ママがバッタ好き?」
俺は記憶を辿る。たしかに梅子は宇宙と一緒にバッタ先生の番組を終始ニコニコしながら見ていたことを思い出す。
「ママ、虫好きって言ってたよ。カブトムシとかもカッコいいって」
「マジで?パパ初めて聞いたんだけど」
「うん、黒くてツノがあって男らしいって」
(おいマジかよ。梅子さんのタイプってカブトムシみたいな屈強な男ってことか?……嘘だろ?)
「ねぇ、パパー」
(マジで困ったことになったな)
俺は梅子と付き合う前からひとつだけ隠していることがある。
それは俺が大の虫嫌いだということだ。
はっきり言って虫嫌いのレベルじゃない。虫を見るたび背筋がゾッとして一目散にその場から逃げ出したくなるほどに俺は虫全般が心底苦手だ。この世から虫と呼ばれるすべての生き物が絶滅してほしいと最近真剣に思っている。
「あ、でもこの間台所に出たゴキブリは嫌いって言って、パパが帰ってくる前に新聞丸めてやっつけてたよ!すごかったな、ママまるでヒーローみたいだった!」
目をキラキラさせて梅子vsゴキブリのエピソードを話す宇宙を見ながら俺は額の汗を拭った。
(嘘だろ……直でとか……梅子さんすげぇ)