世界くんのタカラモノ
梅子と一緒に暮らしていたマンションから屋敷移ってからは、主に台所にカサコソと動く《《黒いヤツ》》が出ることだけが俺は我慢ならない。梅子と子供達のために勿論引っ越し前にリフォームしたが一戸建てはなぜだがその黒いヤツが時折ひょっこり現れ俺を脅かす。
(あの存在だけは許せねぇ……マジでこえぇ……)
梅子や子供達の前でそいつが現れた時は、泡で標的をまるごと包んで固まらせてしまうゴキゴキジェットを使って何とか夫と父の威厳を守っているが、そのうち仕事でいま研究中のトイレ用汚れ洗剤の開発がうまくいけば、俺は水回りに潜む黒いヤツをこの世から全て抹殺できる殺虫剤の開発を推し進めようと密かに心に決めている。
(マジで名前も呼びたくねぇ。あの黒さ尋常じゃねぇだろ……気持ちわりぃ。宇宙が捕まえたがっている黄緑色のヤツも以下同文だ)
「悪いけど却下な。そのかわりめちゃくちゃデカいお山作ってやるからさー」
「えー、ママに良いとこ見せたかったな。ママがバッタ先生のこと凄いってカッコいいって言ってたからさ、虫取り上手になったら俺のことももっと好きになってくれるかなって」
(え、おい今なんて言った?)
(あの存在だけは許せねぇ……マジでこえぇ……)
梅子や子供達の前でそいつが現れた時は、泡で標的をまるごと包んで固まらせてしまうゴキゴキジェットを使って何とか夫と父の威厳を守っているが、そのうち仕事でいま研究中のトイレ用汚れ洗剤の開発がうまくいけば、俺は水回りに潜む黒いヤツをこの世から全て抹殺できる殺虫剤の開発を推し進めようと密かに心に決めている。
(マジで名前も呼びたくねぇ。あの黒さ尋常じゃねぇだろ……気持ちわりぃ。宇宙が捕まえたがっている黄緑色のヤツも以下同文だ)
「悪いけど却下な。そのかわりめちゃくちゃデカいお山作ってやるからさー」
「えー、ママに良いとこ見せたかったな。ママがバッタ先生のこと凄いってカッコいいって言ってたからさ、虫取り上手になったら俺のことももっと好きになってくれるかなって」
(え、おい今なんて言った?)